森繁久弥氏の力三十年以上前のお話です。かつて、森繁久弥さんが、 目の不自由な子どもたちの学校を慰問したことがあるそうです。 テレビの生中継の番組だったそうです。 子どもたちを前にして、森繁久弥さんは「7つの子」を歌ったそうです。 「カラス、なぜなくの~」 そして、二番の歌詞になりました。 「山の古巣へ行ってみてごらん~」と歌って、 そこでパタッと歌を止めたそうです。 生中継ですから、テレビ局の関係者はドキッとしました。 「森繁さんは、歌詞を忘れたんじゃないか?」 一呼吸おいて森繁さんは歌いました。 「まあるい顔した、いい子だよ~」 目の不自由な子どもたちを前にして、 「まあるい目をした、いい子だよ」と歌わずに、 一瞬、子どもたちの気持ちを考えて歌詞を替えたのです。 相手の立場になって、相手の気持ちを理解する能力。 これを「共感能力」といいます。 EQの重要な要素のひとつです。 共感能力が高まると、相手の立場になって相手を理解できるようになります。 また、他人の幸せや成功を自分ごとのように喜べるようになり、 人生がホットニュースでいっぱいになります。 by 野口嘉則 |